『授業で習ってない漢字は使ってはいけません。』

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『この漢字はなんですか?まだ皆さんには教えてないのでひらがなでかいて下さい。』

Twitterなどで日本の教育のこれってどうなの?的な感じで時々取り上げられるこれら…
・習ってない漢字は使ってはいけません。
・習っていない答えの出し方はしてはいけません
・掛け算の掛ける数・掛けられる数は正確に。逆ではいけません。
などなど。
大人になってからの目でこれらを見ると『なんというおバカな教え方だ!こんな教育をしているから日本は~ 云々』などと言う意見を頻繁に見ます。

私は今、ドイツのVHS(Volkshochschule/ドイツ語市民学校)に通っています。

週2回、火・木の朝10:00-11:30
A1,A2,B1,B2,C1,C2などのコースで、普通の語学学校より価格は安め。主に社会人向けなので時間帯もいくつか選べる~という感じで、育児の合間&ドイツ語習得&引きこもり防止(笑)の為に…。
そこでは色んな国の人がいます。ルーマニア、シリア、ネパール、ガーナ、韓国、他…。
そして結構多いのが

『みんな普通に喋れるじゃん!?』

って事。自分などはほとんど無知の状態で行ったのですが(一応日本で、超入門コースで6時間位)、周りの人は(自分から見たら)普通に喋れていたり、先生と冗談まで交わしていたりします。
こちらなんて、授業に追いつくどころか、先生がテキストのどこをやれというのを聞き取るだけでヒーヒー言っているというのに…。

実際、既にドイツに住んでいたり/働いていて『喋ることはある程度出来る。でも文法的なことはあまり分からないし、書く事は全然出来ないので学校に来る』という人が結構多いと聞きます。 そうなると上記のように、周りはもう喋れてんじゃん…という状態になります。

実際、自分は皆の中ではかなり劣等生グループ…。

 

先生が「何か質問は?」とか「問題ありませんか?」などと確認をしますが、そもそも今これは何をやっているのかを把握するのが大変だし、あらゆる部分で「???」ですし、そもそも聞く為のドイツ語が分からない。聞いたとしても答えてくれる先生のドイツ語が理解できない…という状態。

~ドイツ語を習いに来ているのに、授業をドイツ語でやる~

ってだけで、「あ…あ、はい(泣)(※当たり前です)」という感じでもありますが、まぁそのくらい実践的な方がきっと道具たる言葉を覚える近道(別に学問を習いに来ているのではない)だし、もちろん先生も相応の簡単なドイツ語をゆっくり言ってくれ、お粗末な発音も聞き取ろうとしてくれる。 それだけできっとここに来ている価値があるなと。
予習復習をしっかりやらないと右も左もわからない状態になるので、結構必死です(苦笑)

 

そんな落ちこぼれな組な自分が、ドイツ語のテキストでしばしば感じる事が、

・この単語まだ習ってねー
・この文法初めて出てきたんだけど…
・まず問題文が知らない単語だらけなんすけど…(泣)

習ってない知らないことがバンバン出てきます。

多分先生はその都度、補足的な解説をしているのでしょうが、そんな解説とても理解できません(苦笑)
テキストを見て、単語や文法の変化からこんな事やっているのかなってのを読み取って、そのまま例文に照らし合わせる…そんな感じ。
それでも予習時などには、まず「今回やるであろう箇所の問題文を翻訳しておく事」から始めないといけないという。

 

表題の

・授業で習ってない漢字は使ってはいけません。

(分かっている)大人から見たら馬鹿みたいだなと思うけど、落ちこぼれている生徒からしたらきっとそれはありがたい事だよなー。子どもたちからしたらきっと感じ方は違うんだろうな…。

などと、日本の”なるべく落ちこぼれを作らない教育方針”とはそもそも方向性が違う、ドイツ語のテキストと授業を見ながら思いにふけるのでありました。

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